2013年9月27日 星期五

感度とインピーダンスの関係

電力・電流・電圧の関係は電力(W)=電流(I)×電圧(V) 
抵抗・電流・電圧の関係は電圧(V)=抵抗(R)×電流(I) 
ですので電力と抵抗の関係は電力(W)=抵抗(R)×電流(I)×電流(I) 
           又は電力(W)=電圧(V)×電圧(V)÷抵抗(I) 

ここに感度97dB、インピーダンス30ΩのヘッドホンAと感度106dB、インピーダンス240ΩのヘッドホンBがあるとします。仮に100dBまで音量を上げるとするとAでは+3dB必要です。音圧レベルの3dBは物理的な値で言うと2倍なので2倍の電力が必要となります。一方Bは-6dBで1/4倍なので、電力も1/4で良いことになります。感度は通常1mW時の値なのでヘッドホンAは2mW、ヘッドホンBは0.25mW必要となります。この電力を得るために必要な電圧を求めるとAの電圧7.7mV、Bの電圧7.7mVとなりボリュームの位置は両方とも同じ位置になります。これはAの上げた3dBとBの下げた6dBの合計9dB=2×2×2=8倍の差とAのインピーダンス30ΩとBのインピーダンス240Ωの差240÷30=8倍の差が等しいためです。 
つまり 
感度が3dB大きいのとインピーダンスが1/2小さいのはボリュームの位置的には同じことになります。A:97dB30Ω=B:100dB60Ω=C:103dB120Ω=D:106dB240ΩのAからDのヘッドホンがあったとすると、左から見ると3dBずつ感度が上がって行き、右から見るとインピーダンスが1/2ずつ減って行きますが、ボリュームの位置は皆同じになります。これは単純に考えた場合で、実際はこうぴったりにはならないでしょう。また電流の側面から見ると同じボリューム位置でもインピーダンスが低いヘッドホンの方が電流が沢山流れるため、ヘッドホンアンプには優しくないと言えます。ヘッドホンアンプの保証以上に低いインピーダンスのヘッドホンを使うと電流の供給が間に合わず、音にクリップや歪みが乗ったり、最悪の場合異常発熱、発火などがあるかもしれませんので、ご注意ください。